アメリカ郵政長官が辞任、民営化への一歩か?

「公的サービスの崩壊」を象徴する画像 その他

はじめに

アメリカの郵便を支えてきた郵政公社(USPS)のトップ、ルイス・デジョイ氏が突然の辞任を発表しました。デジョイ氏はコロナ禍や郵便投票の混乱を乗り越え、改革を進めてきた人物。今回の辞任は、トランプ前大統領やホワイトハウス内の動きと連動しており、今後、郵政事業の「民営化」が現実味を帯びてきました。私たちの生活にも密接につながるこの動き、今後の展開に注目です。

■ デジョイ長官の辞任、その背景とは

・突然の辞任、発表は2月から準備されていた
デジョイ氏はすでに2月に辞任の意向を表明しており、3月24日に正式発表されました。後任は一時的に副長官のダグ・トゥリノ氏が務め、正式な後継者はまだ未定です。

・コロナ禍と郵便投票の荒波を乗り越えた
コロナ禍や2020年・2024年の大統領選では、郵便投票の急増に対応。デジョイ氏は10年計画を打ち出して郵政公社の近代化と経営立て直しに取り組んできました。

・郵便料金の値上げも断行
財政難を理由に、郵便料金の段階的な値上げを実施。標準封筒の切手は55セントから73セントに引き上げられました。


■ 民営化の動きが加速?政界・財界の思惑

・トランプ氏、郵政を「商務省の管轄」に?
トランプ前大統領は、郵政公社を商務省のルートニック長官の管理下に置く可能性を示唆。これは事実上の「統合(=民営化)」の一歩と見られています。

・イーロン・マスク氏も民営化を支持
ホワイトハウス顧問でもあるマスク氏は、郵政の効率化を掲げ、郵政公社と連携する新組織「政府効率省」との協力を始めています。

・すでに4万人の人員削減が進行中
2021年以降、約3万人が削減され、さらに1万人の早期退職が予定されています。現時点でも約63万人が働く巨大組織の今後に注目が集まっています。


■ 労働組合の懸念と市民サービスへの影響

・労組は「民営化に反対」の立場を強調
アメリカ郵便労働組合(APWU)は「郵政民営化は国民のサービスを損なう」と警鐘。次期長官には「民営化に反対の人物を」と求めています。

・民営化で「料金値上げ」や「サービス低下」も
組合側は「切手代がさらに高くなる」「配達の質が落ちる」といった懸念を表明。公共サービスが利益重視に傾くことで市民の負担が増す可能性があります。

・「オリガルヒ(富裕層)」による公的機関の支配を懸念
組合トップのディモンシュタイン氏は、「これは富裕層による公共サービスの支配を目指すクーデターだ」と強い言葉で非難しています。


記事のまとめ

今回の郵政長官辞任は、アメリカ国内で長年続いてきた「郵政の民営化」議論に大きなインパクトを与えています。郵便は一見すると地味な分野かもしれませんが、国家の物流や民主主義(選挙)を支える重要なインフラです。これが営利目的で動くようになれば、料金の高騰やサービス低下のリスクは避けられません。

経済の視点から見れば、郵政事業の効率化やコスト削減は評価できますが、それが国民の暮らしを犠牲にして成り立つものなら本末転倒です。

あなたは、郵便というインフラが「利益を上げる企業」であるべきだと思いますか? それとも「全国民に等しく届ける公共サービス」であるべきだと思いますか?

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